バックオフィスは企業成長の「縁の下の力持ち」
営業やカスタマーサクセスのようなフロント部門と異なり、顧客と直接接点を持たないバックオフィス部門(人事・IT・経理など)は、日々のオペレーションを支え、組織の基盤を作り上げています。
具体的には、
- 人事(HR) は新入社員のオンボーディング、給与処理、社内ポリシーの管理を担当。
- IT はデバイスやアプリのプロビジョニング、インシデント管理、セキュリティ対策を担い、
- 経理(Finance) は会計記録、予算策定、財務予測などを遂行しています。
これらの業務はすべて企業運営の根幹であり、ひとつでも滞れば全体に影響します。
そこで注目されているのが、バックオフィス自動化(Back Office Automation) です。
従来の RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション) に加えて、アプリ間・チーム間・データ間を横断するエンドツーエンドのワークフロー自動化 を導入することで、より大きな業務変革を実現できます。
本記事では、その理由を実例を交えながら詳しく紹介します。
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バックオフィス自動化とは
バックオフィス自動化 とは、人事・IT・財務などのバックオフィス業務に対して自動化を適用し、ワークフローを効率化する仕組みを指します。
これらの自動化は、特定のイベントをトリガーに起動し、定義された一連の処理を複数アプリケーションやチームをまたいで順次実行します。
定義上は「フロントオフィス自動化」と類似していますが、対象領域が異なります。
- フロントオフィス自動化:営業・マーケティング・顧客対応など顧客接点業務を対象
- バックオフィス自動化:人事・IT・経理・総務など内部業務を対象
バックオフィス自動化の代表的な事例
日常的に発生し、複数のチームやシステムをまたぎ、かつビジネスインパクトが大きいプロセスこそ、自動化の恩恵が最大化される領域です。
ここではその代表的な3つの事例を紹介します。
1. 新入社員オンボーディングの自動化
Gallupの調査によると、オンボーディング後に「準備ができている」と感じる社員はわずか29% に留まります。
人事チームが入社プロセスを自動化し、必要なアプリやアクセス権を適切に付与することで、この課題を解決できます。
自動化の流れ例
- HRIS(人事情報システム) が新入社員登録または通知メールを送信すると、自動化がトリガーされる。
- 新入社員のマネージャーに対して、Slack上のWorkbot が必要アプリと権限レベルの入力を促す。
- 入力内容がITチーム用のチャンネルに共有され、空きライセンスの確認・承認・却下をワンクリックで実施。
- 承認済みアプリは入社初日までに自動で利用可能となり、マネージャーにもリアルタイム通知。
これにより、初日から業務をスムーズに開始でき、従業員体験(Employee Experience) が大幅に向上します。
2. ITヘルプデスクの問い合わせ対応自動化
社員からの「PTOポリシーは?」「○○オフィスのプリンターはどれ?」などの基本的な質問が大量に寄せられると、ITサポートは逼迫します。
この問題を解決するのが、Slack×Zendesk×Workbot の連携によるセルフサービス自動化です。
自動化の流れ例
- 社員がSlackでWorkbotを開き、「Search Zendesk Article」を選択。
- モーダル(ポップアップ)に質問内容を入力し、カテゴリを選択。
- WorkbotがZendeskナレッジベースをリアルタイム検索し、該当記事を提示。
- 社員はその場で記事を閲覧・共有し、再検索も可能。
これにより、社員は自力で数秒以内に回答へたどり着け、ITチームの問い合わせ対応負荷を大幅削減できます。
3. ベンダー請求処理の自動化
企業成長に伴い、取引先(Vendor)の数は増加します。
経理チームが全ての請求書を手動で確認・承認していては、処理が追いつきません。
そこで活躍するのが、SlackとERPシステムを連携した承認ワークフロー自動化です。
自動化の流れ例
- 新しい請求書が到着すると、ワークフローが自動トリガー。
- Approval Bot がSlack上で経理チームに通知。請求書情報を表示し、「承認」「却下」「確認依頼」をボタンで選択可能。
- 「確認依頼」が選ばれると、承認者と担当者の間に自動で専用チャンネルを作成。会話が完了次第、チャンネルが自動アーカイブ。
- 承認された請求書はERP上で自動更新され、Box に会話ログがCSV形式で保存される。
※この仕組みは、インセンティブ配信プラットフォーム Tango Card 社でも採用されています。
導入経緯と成果の詳細はこちらからご覧ください。
バックオフィス自動化の主なメリット
1. 従業員体験(EX)の向上
社員が業務に必要なデータやアクションへ直接アクセスできるため、アプリ間移動(App Hopping)が不要に。
また、単純・反復的な作業を自動化することで、社員はより創造的で価値の高い業務に集中できます。
2. 顧客体験(CX)の間接的向上
バックオフィス自動化は直接顧客対応を行うわけではありませんが、結果的に顧客体験を高める重要な要素になります。
たとえば、
- カスタマーサクセス担当が必要な顧客情報に即アクセス
- 注文処理の自動化により、顧客オンボーディングを迅速化
こうした効率化が、顧客満足度とリテンション率の向上につながります。
3. ヒューマンエラーの防止
手作業でのデータ入力や承認業務は、ミスの温床です。
誤った金額の請求書登録、オンボーディング漏れ、チケット誤配属などが発生すれば、生産性低下や信頼損失につながります。
バックオフィス自動化により、これらの人的ミスを構造的に排除できます。
4. ノーコード・ローコードで誰でも実装可能
従来、社内の自動化構築はIT部門に依存していました。
しかし今では、ノーコード/ローコードツールの普及により、現場部門(HR・IT・経理など)が自ら自動化を構築可能です。
もちろんITのガバナンスのもとで運用できるため、セキュリティとスピードの両立も実現します。
これにより、組織全体でスケーラブルな自動化文化(Automation at Scale) を育てることができます。
関連記事: LMS連携がチーム強化に果たす役割
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