2021 年に知っておくべき自動化をめぐる 11 の統計データ

デジタル化がますます進む時代において、「自動化」は自動運転車や無人レジのロボットを表す用語となっています。しかし自動化は、職場の新たなアシスタントを意味することもあります。特に従業員が時間と生産性をあまり費やしたくないと思うような単調な作業がある場合がそうです。そのような役割は、データの合理化から、作業の遂行に必要な手順の削減まで多岐にわたります。

経営層の大半はすでに業務を合理化することの重要性を認識していますが (MIT スローン経営大学院の調査によれば、経営層のうち「デジタル テクノロジには企業での働き方を根底から変える可能性がある」と答えた割合は 91% に上ります)、ではいったいどのように働き方を変えるのでしょうか。Workato では、実際にワークフローの自動化がいかに大小さまざまな企業の生産性向上に役立つかを目の当たりにしてきました。

自動化が果たす役割をご理解いただけるように、自動化を実現するチャンスを示す 8 つの統計データを見ていきたいと思います。しかし、その前に自動化の今後の方向性を示すであろう、3 つの将来予測の統計をご紹介します。

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多くの企業が従業員に重点を置いた自動化の導入を予定している

事実 : 「今後 2 年間に、従業員体験の向上に重点を置いた自動化の実現を予定している」と答えたエンタープライズ組織のビジネス部門担当者の割合は 64% に上る。

Automation statistic around the employee experience

このような自動化の範囲は多岐にわたることが考えられます。たとえば「従業員のオンボーディング」の場合、自動化には、入社初日に必要なアプリケーションや機器に関して従業員のプロビジョニングを行う作業が含まれるかもしれません。また「日常的な従業員体験」の場合、自動化が (有給休暇などの) 申請・承認プロセスの合理化という形を取ることもあります。さらに「従業員のオフボーディング」では、従業員の各種アプリケーションへのアクセス権取り消しや機器の返却プロセスの自動化が可能性として挙げられます。

多くの企業が顧客中心の自動化の実現を目指すようになる

事実 : 「今後 2 年間に、顧客体験の向上に重点を置いた自動化の実現を予定している」と答えたエンタープライズ組織のビジネス部門担当者の割合は 57% に上る。

Automation statistic around the customer experience

ではいったい、自動化はどのように顧客の日常的な体験を向上させることができるのでしょうか。このような自動化を初めて導入する場合は、製品の利用状況データを中心とした自動化を実現するとよいでしょう。これにより、顧客対応部門の担当者が製品を有効利用できていない顧客を見つけることができ、そこから顧客に連絡を取って、積極的かつ生産的なフィードバックを提供できるようになるでしょう。さらにマーケティング担当者が、イベント (マーケティング ウェビナーなど) に参加する顧客の製品利用状況データを容易に確認するためのワークフローを構築することも可能です。担当者は得られた洞察に基づいて、参加者の関心を満たすようイベントを個別に調整できます。

さらに製品利用状況データを超えて、インシデント管理プロセスを自動化することで顧客の問題解決を迅速化したり、調査による回答の収集・分析プロセスを自動化することで素早く顧客のフィードバックに対応したりすることもできます。

多くの企業がそれぞれの統合と自動化のニーズに対応する単一プラットフォームを求めるようになる

事実 : エンタープライズ組織のビジネス部門担当者の 94% が、「複数のシステムを利用するよりも、アプリケーションの統合とワークフロー自動化の実現を可能にする統合プラットフォームを使用するほうがいい」と答えている。

Statistic that reflects the desire to have a single platform for building integrations and automations

統合と自動化を実現するためにiPaaS、ETL、RPA などの個別のツールをばらばらに導入することで、以下のようなさまざまな問題につながります。

  • ツールごとに支払いが発生するのでコストがかさむ
  • このようなツールにはスペシャリストが必要になることが多く、社内での管理が難しい
  • 統合と自動化を実現するうえで従業員が都度ツールを切り替える必要があるため、時間や労力が無駄になってしまう可能性がある

Workato のようなエンタープライズ自動化プラットフォームは、従業員が統合と自動化を同時に実現できる単一プラットフォームを提供することで、これらの欠点にきちんと対応します。しかも、ノーコードの開発環境を提供しているため、コードを書く必要が一切ないため、IT知識のないビジネス事業部の人々も取り組むことができます。

以降に紹介する自動化に関する残りの統計データでは、ワークフローの自動化で対応できる特定の課題とチャンスに焦点を当てます。このまま読み進めてご確認ください。

自動化が営業プロセスをサポート

事実 : 潜在顧客からの問い合わせに 5 分以内に電話か電子メールを返す」と答えた B2B 企業の割合は 1% を切っている

潜在顧客を見込みありと評価できる可能性が、応答時間が 5 分から 10 分に遅れただけで 400% 下がることを考えれば、企業が大金をみすみす逃していることは明らかです。自動化を導入すれば、潜在顧客をインテリジェントにルーティングできるようになります。つまり、潜在顧客を担当者とシームレスに共有し、担当者が必要とする情報を CRM や潜在顧客データ最適化ツール (Clearbit など) をはじめとする各種ツールから提供し、それを担当者がすでに使用しているプラットフォーム上 (Slack など) で共有するということです。

事実 : 営業時間の 50% が非生産的な見込み顧客の創出作業に費やされている。

営業担当者は、運を天に任せる必要がありません。適切なツールで優良な見込み顧客を容易に特定できるためです。これは結局のところ「顧客を十分に理解する」ということであり、それこそが商談成立の鍵となります。購入までの流れの各ポイントで顧客が必要とするものを理解することによって、顧客との関係を築くことが重要になります。営業サイクル全体を通して目標達成をサポートする適切なツールを使えば、潜在顧客を見込み顧客へと引き上げるためのコンテンツのマッピングが容易に行えます。

自動化は MarTech スタックを結び付けるものとなる

事実 : デジタル マーケティング ソリューションを 21 種類以上使用している企業の割合は 51% に上るのに対し、十分に活用されている完全な MarTech スタックを保有する企業の割合は 9% にとどまる。

マーケティング テクノロジ (MarTech) スタックとは、マーケティング活動に特化したテクノロジの総合的利用を意味し、コンテンツ管理や CRM から、分析やソーシャル メディアまで各種ツールが含まれます。MarTech の開発と利用が爆発的に拡大していることから、多くの企業がデジタル マーケティング ソリューションの真の価値に気付きつつあることは明白です。MarTech 分野ではアプリケーションがあふれるほど存在しますが、多数のアプリケーションを使用するだけでは MarTech スタックにはなりません。統合によってマーケティング アプリが連携され、自動化されたワークフローを構築できるようになってこそ、まさに必要なタイミングでマーケティング ワークフローが開始されるようになるのです。

事実 : 新規顧客のコンバージョンにおいてFacebook と Twitter を組み合わせた場合よりも電子メールのほうが 40 倍効果的

近年のソーシャル メディアやチャット プラットフォームの台頭に伴い、電子メールにツールとしての価値は以前ほどないと考えておられることでしょう。しかし、電子メールは今もマーケティングで最も高い ROI とコンバージョン率を誇っています。ただしこれは、電子メール マーケティング戦略をアップデートしている場合です。自動化によってパーソナライゼーションの導入が大幅に容易になれば、Constant ContactMailChimp といったアプリケーションを利用して、よく練られた、非常に的を絞った電子メールを送信し、見込み顧客を効果的に育成できるようになります。

マルチタスクには多額の代償がつきもの

事実 : 生産性の 40% がタスクの切り替え作業に失われている。

私たちができるだけ多くのプロジェクトやタスクをこなそうとしても、所詮は人間にすぎません。それどころか人間はマルチタスクには向いておらず、その脳は一度に 1 つのことにしか集中できない構造になっていることが、さまざまな調査で証明されています。しかし多くのワークフローでは、複数のアプリケーションで同時に作業することが求められます。

たとえばカスタマー サービスの担当者なら、ZendeskSalesforceIntercom といった複数のアプリケーションにまたがってチケットのトリアージと解決を行います。自動化を導入すれば、可視性が上がるとともに業務を一元化できるため、これらのアプリケーション間でデータを合理化して、担当者の時間を最適化できます。また、ボットを利用して Slack など好きなハブからタスクを実行することも可能になります。

事実 : 従業員や経営層の 97% がチーム内での認識のすり合わせができていないと、タスクやプロジェクトの成果に悪影響が及ぶ」と考えている。

成功を収めている企業では、チームや部門が十分に油を差した機械のようにうまく回っています。正しく機能するうえでの鍵となるのが共同作業です。そしてそれは、部門間での違いに対応することを意味します。自動化なら、全員の認識を一致させる (その状態を維持する) ことが容易になるため、各部門のアプリケーションの同期から、オンボーディングやレポートの作成といった時間のかかるプロセスの自動化まで、現代のチームワークを効果的にサポートできます。

事実 : カスタマー サポート担当者の 73% が「時間とワークロードの管理がカスタマー サポートで直面している最大の問題である」と報告している。

顧客体験の最前線であるカスタマー サポートの担当者は、さまざまな課題に直面しています。彼らは絶えず大量のチケットの解決に追われ、不満を抱えた顧客をなだめています。日々必要なすべてのアプリケーションをさばきながらであることは言うまでもありません。その結果、燃え尽きた状態に陥ることが考えられます。自動化を導入すれば、間違いなく彼らの業務を楽にすることができます。適切な顧客情報にアクセスする場合でも、大量のチケットを正確にトリアージする場合でも、実行するプロセスの数が単純に減るためです。

自動化によって手作業によるデータ入力が不要になる

事実 : 従業員はドキュメントを手作業で探すのに就業時間の 20 ~ 40% を費やしている。それどころか、担当者は就業時間の 50% を情報の検索に費やしており、各ドキュメントを見つけるのに平均 18 分かかっている。

データのサイロ化が存在するのは、チーム間でコミュニケーションが足りていない、あるいは整理整頓が不十分である (ドキュメントを適切に保管できていない、データを紛失する) ためです。場合によっては、原本をなくしたと思って複製を手作業で作り直すことに、さらなる時間を費やしていることさえあります。こうした退屈なプロセスには、貴重な時間を無駄にし、生産性を妨げるという代償がつきものです。

しかし自動化を導入すれば、誰もが時間をかけすぎている管理業務をなくし、ひいてはプロセスにおけるアプリケーション サイロも削減できます。たとえば、CRM (Salesforce など) と会計プログラム (NetSuite など) の間でデータが自動的に合理化されるようにすることができ、各商談に手作業で請求書を追加する必要がなくなります。また自動化によって、データの検索、取得、アーカイブの作業も簡素化されます。

自動化することでこれらすべてのメリットが得られるにもかかわらず、多くの組織がいまだその主要なワークフローを合理化できていません。普及しつつある自動化とそうでないものの詳細については、『The State of Automation』レポートでご確認いただけます。ぜひダウンロードしてください。


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