現代のビジネスにおいてAPIの役割が拡大し続けるなか、API管理(APIM)の重要性はこれまで以上に高まっています。
APIを公開することで、企業は顧客と安全にデータを共有しながら新たな収益機会を創出し、製品価値を高めることができます。ただし、そのためには適切な監視とセキュリティが不可欠です。
本記事では、現代のAPI管理における重要な概念と、APIを公開するメリットを最大化しながらリスクを最小限に抑えるためのベストプラクティスを紹介します。
API管理が重要な理由
API管理を活用することで、企業はAPIを効果的に管理、保護、監視できます。APIは、異なるソフトウェアアプリケーション間の通信を実現するうえで欠かせない存在です。最新のAPI管理を導入している企業は、そのメリットを早い段階から実感できます。
1. 新たな収益チャネルと安全なデータ共有
APIを公開することで、企業は新たな収益チャネルを開拓できます。
たとえば銀行業界では、APIを活用して定期預金口座を開設したり、口座残高を確認したりできます。アプリケーションや顧客から得られるデータを活用することで、よりインテリジェントでパーソナライズされた体験を構築できます。
また、外部パートナーや顧客との安全なデータ共有も可能になります。
APIを公開することで、従来のバッチ型インテグレーションから、最新のリアルタイム型インテグレーションへ移行できます。
2. リアルタイムでのコンプライアンス対応
APIを公開することで、従来のバッチ型インテグレーションから、最新のリアルタイム型インテグレーションへ移行できます。
これは現代の自動化ユースケースに不可欠であり、相互運用性に関する標準への対応を可能にすることで、規制要件への準拠も支援します。
3. スケーラビリティとパフォーマンス
API管理では、APIキャッシュやレート制限などの機能を実装することで、パフォーマンスを向上させ、リソースの過剰消費を防ぐことができます。
これにより、アプリケーションはパフォーマンスを損なうことなく、大量のリクエストを処理できるようになります。
4. セキュリティ
APIセキュリティの管理は、API管理における重要な要素です。
APIトークンをパスワードと同等の機密情報として扱い、最新のセキュリティ水準を維持するために、定期的なAPIトークンの更新も検討する必要があります。
5. 可視性と制御
API管理によって、APIアクティビティ全体に対する可視性と制御を確保できます。すべてのAPIリクエストとレスポンスをログとして記録し、そのデータをサードパーティ製の監視ツールへリアルタイムでストリーミングすることもできます。
これにより、API利用者への理解を深め、今後のAPIプログラムの方向性を計画しやすくなります。
API管理における重要な基本概念
API管理のあり方は組織によって異なりますが、いずれの場合も以下の重要な概念を基盤として成り立っています。
1. APIゲートウェイ
APIを管理するうえで重要なコンポーネントです。高度なセキュリティ、効率的なルーティング、適切な仲介処理を統合し、最適なパフォーマンスと信頼性を実現します。
2. APIガバナンス
APIを安全に保ち、コンプライアンス要件を満たし、ベストプラクティスに従って管理するための仕組みです。アクティビティ監査、バージョン管理、ライフサイクル管理などが含まれます。
また、利用状況やアクセスを管理するために、きめ細かなアクセス制御やポリシーを実装することもガバナンスの一部です。
3. API設計
APIのエンドポイント、メソッド、データ構造を定義することを指します。たとえば、Workatoが提供するAPI設計やドキュメント作成のためのネイティブツールを利用できます。
優れたAPIプラットフォームのダッシュボードでは、レスポンスタイム、エラーメッセージ、トラフィックパターンなど、エンドポイントやAPIコレクションに関するリアルタイムデータを可視化できます。
4. APIモニタリング
包括的な監視・分析ツールを活用して、APIの利用状況やパフォーマンスを追跡・分析することです。
優れたAPIプラットフォームのダッシュボードでは、レスポンスタイム、エラーメッセージ、トラフィックパターンなど、エンドポイントやAPIコレクションに関するリアルタイムデータを可視化できます。
5. APIセキュリティ
セキュリティは極めて重要です。Workatoでは、APIを安全に公開するためのエンタープライズグレードのセキュリティ対策を提供しています。APIゲートウェイでは、OAuth 2.0、JWTトークン、OpenID Connectなど、さまざまな認証方式をサポートし、安全なAPIアクセスを実現します。
6. APIコレクション
APIコレクションとは、まとめて管理できるエンドポイントの集合です。これらのエンドポイントは、APIレシピベースまたはAPIプロキシベースで構成できます。
7. アクセスポリシー
APIの利用に関する制限を設定するために使用します。1つのポリシーを複数のアクセスプロファイルへ関連付けることで、レート制限やクォータ管理を適用できます。
8. アクセスプロファイル
1つのクライアントに対して、1つ以上のアクセスプロファイルを設定できます。アクセスプロファイルでは、そのクライアントがアクセス可能な1つ以上のAPIコレクションを指定し、必要に応じてアクセスポリシーと関連付けます。
9. APIプロキシ
APIプロキシとは、クライアント向けAPIと内部APIを分離するゲートウェイです。内部APIをエンドポイントとして安全に公開しながら、APIプラットフォームが提供する管理機能を活用できます。
これらの概念は、APIが組織のニーズや標準を満たせるよう、APIの管理、セキュリティ、監視を包括的に支えるものです。API管理の仕組みを理解するうえで、いずれも基本となる要素です。
API管理のベストプラクティス
API管理のベストプラクティスは、APIの作成、デプロイ、保守を最適化するための幅広い戦略や手法で構成されています。
APIMの要件は企業ごとに異なりますが、以下のベストプラクティスは、高い成果を得るための基本として特に重要です。
まず、APIとは「一連のルールに基づいて2つのアプリケーションが情報をやり取りするための仕組み」であることを明確に理解することが重要です。
1. APIを理解し、定義する
まず、APIとは「一連のルールに基づいて2つのアプリケーションが情報をやり取りするための仕組み」であることを明確に理解することが重要です。
こうした基本知識を正しく理解することで、自社のAPIM要件について、既存の枠にとらわれない発想がしやすくなります。
2. API公開と管理の目的を明確にする
API管理の主な目的は、APIアクティビティを監視し、そのAPIを利用する開発者やアプリケーションのニーズを満たすことです。
APIを公開することで、新たな収益チャネルの創出、安全なデータ共有、リアルタイムでのコンプライアンス対応など、さまざまなメリットを実現できます。そのため、APIを「どのように」「なぜ」公開するのかについて、明確な戦略を持つことが重要です。
3. エラーハンドリングとエンドポイント命名
適切なステータスコードをクライアントへ返せるよう、ユーザー体験を損なわないエラーハンドリングを実装します。また、自社の標準に合わせられるよう、APIエンドポイントの命名には柔軟性を持たせることも重要です。これにより、APIをより直感的で扱いやすいものにできます。
4. バージョン管理とドキュメント
後方互換性を維持するために複数バージョンのAPIを管理し、クライアントへ新しいバージョンへの突然の移行を強制しないようにします。
また、開発者がAPIを正しく理解し、効果的に利用できるようにするためには、正確かつ包括的なAPIドキュメントの提供が不可欠です。
5. スケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティ
GETリクエストに対してAPIキャッシュを有効にすることで、レスポンスタイムを大幅に短縮できます。また、リソースの過剰消費を防ぎ、APIを効果的にスケールできるようにするため、レート制限を設定します。
APIトークンはパスワードと同様に扱い、セキュリティをさらに高めるために定期的な更新も検討しましょう。
6. APIコレクション、クライアント、アクセスプロファイル
APIをコレクションとして整理し、API利用者ごとに固有のアクセスプロファイルを作成します。これにより、誰がどのAPIへアクセスできるのかをより適切に管理できるだけでなく、APIエンドポイントがどのように利用されているのかに関する情報も収集できます。
7. 認証と認可
Auth Token、JWT、OAuth 2.0など、安全な認証方式を利用します。また、必要に応じてアクセスポリシーを実装し、APIへのアクセスを制御・監視します。
8. ライフサイクル管理とガバナンス
APIの作成から廃止まで、ライフサイクル全体を管理します。これには、パフォーマンス指標の追跡、セキュリティの確保、APIの品質と信頼性を維持するためのガバナンスが含まれます。
これらのベストプラクティスに従うことで、企業はAPIを効果的に作成、管理、スケールしながら、開発者やアプリケーションのニーズに応え、高いレベルのセキュリティとパフォーマンスを維持できます。
Workatoは、API管理のための世界水準のプラットフォームを提供しています。WorkatoのAPIMプラットフォームは、ここまで紹介した基本概念を基盤として設計され、これらのベストプラクティスがあらかじめ組み込まれています。詳しくは、デモをご覧いただくか、営業チームまでお問い合わせください。
