iPaaS の利用により期待できる 6 つのメリット

多くの企業が SaaS アプリケーションとオンプレミス システムを接続できるプラットフォームを探しています。そしてその多くが、最終的にサービスとしての統合プラットフォーム (iPaaS) を選択します。

この選択肢が好まれる理由はさまざまです。

iPaaS には、サブスクリプション ベースの価格設定を提供していることや、幅広いアプリケーションやシステムを接続できることのほか、実質的に社内のデータ サイロが解消される、設定と管理が複雑でコストのかかる統合ソリューションを自社チームがインハウスで構築しなくてもいい、といったメリットがあります。

iPaaS に投資すべきかどうかをしっかりと理解するために、ここでは上記のメリットをさらに検討するとともに、その他のメリットや、このプラットフォームの欠点についてもご紹介します。

まずは、iPaaS を導入する利点から見ていきましょう。

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1. データ セキュリティやガバナンスに関する多様な基準に対応

多くの iPaaS ベンダーが、データ セキュリティとプライバシーに関する重要かつ評価の高い要求事項に幅広く対応しています (SOC 2HIPPAGDPR など)。この事実によって、iPaaS への投資を目指す際の社内の法務チームの懸念を和らげるとともに、顧客や見込み顧客の高い期待を満たすこともできます。

また、さまざまな iPaaS ソリューションで、ユーザーに対するアクセス制御機能も提供しています。これは一般的に、どの従業員をユーザーとしてプロビジョニングするかや、各ユーザーにどのアクセス レベルを付与するか (ユーザーに特定の統合の閲覧と制御のみを許可するなど) を決定する管理者を配置できるということです。データの保護において完璧とはいえませんが、セキュリティ問題を将来にかけて防いでいくうえで何らかの役割を果たすはずです。

2. 顧客中心の契約条件を提供

iPaaS はサブスクリプションとして提供されるため、企業は今後経時的に発生する支払いを正確に把握できます。そのため、支出の予測や予算の管理をより簡単に行えるようになります。

また、サブスクリプションはほんの数か月で解約することも可能なことから、iPaaS プロバイダが、継続的に顧客に利用してもらい、高い顧客満足度につながる価値を提供することが期待されます。

関連記事 : iPaaS とその他の統合ソリューション構築手法の短所

3. 積極的な統合ソリューション構築体験を提供

インハウスでの統合ソリューションの構築は、社内リソースを大量に消費する、非常に時間と労力のかかるプロセスになることが考えられます。

開発チームが参加する必要があるため、チームは他のビジネス上重要なプロジェクトに集中できなくなります。また、統合ソリューションの保守や向上も随時行う必要があるため、絶えず呼び出しがかかるでしょう。

iPaaS なら、開発チームはプラットフォームの事前にビルドされたコネクターを利用することも、一元化された場所から実装やトラブルシューティングを行うこともできるため、統合ソリューションの構築と保守をより簡単に遂行できます。

4. レガシーテクノロジの利点を活用し続けることができる

今でもなおオンプレミスのレガシー システムを日常のプロセス管理に利用している企業もあるでしょう。

そのいずれかの置き換えを計画し、妥当だと思えたとしても、必ずしもそれが理想的とは限りません。なぜなら、そのレガシー システムは企業にとって無類の価値をもたらすものかもしれず、置き換えることで新しいシステムの使い方の研修を従業員に行うことになれば、やはりチームの貴重な時間が奪われてしまいます。

iPaaS ならこの課題にきちんと対応できます。オンプレミスのレガシー テクノロジと、クラウド上のテクノロジを統合できるためです。これはレガシー システムを利用し続けることができるというだけではなく、SaaS アプリケーションから新しい方法で既存データにアクセスして利用できるようになるということでもあります。

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5. 共同作業と時間の節約を実現

システムとアプリケーション全体でデータがいつでも利用できる状態であれば、さまざまな部門の従業員が同じ情報を容易に見つけ、その情報に基づいて業務を進めることが可能になります。これによりチームは常に認識をすり合わせ、協調してビジネス価値の促進に取り組むことができます。

たとえば、Salesforce と Marketo を統合すると、マーケティング担当者と営業担当者が各潜在顧客のリード スコアや最近の活動などについて同じ情報を確認できるようになります。これは、両チームが特定の見込み顧客に働きかけるベストなタイミングや方法について認識を合わせるのに役立ちます。

さらに、データ サイロが解消されることで、従業員がデータを見つけるために都度アプリケーションを切り替えたり、システム間で何度も同じデータを手入力したりといった作業が不要になります。これだけでもチームの時間が大幅に節減されることが期待できます。

6. 従業員の満足度と定着率が上がる

アプリケーションの切り替えや、データ入力、インハウスでの統合ソリューションの構築を回避できれば、従業員はビジネス上重要な頭脳労働にその分の時間をかけられるようになります。その結果、職場での従業員の満足度が上がり、定着率が高まるはずです。

このことはデータでも確かに実証されています。Deloitte 社の調査によると、従業員が別の仕事を探そうと考える理由として「仕事にやりがいが感じられない」がトップ 5 に入っています。しかも、転職を検討している従業員の 42% が、「自分のスキルや才能を雇用主が有効活用していない」と考えています。

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従来の iPaaS の欠点

ご紹介してきたメリットにもかかわらず、従来の iPaaS にはその導入に慎重になる理由がいくつかあります。

チームが全体としてアクセスできない

iPaaS によって統合ソリューションを構築する場合、通常はある程度の技術的な専門知識が必要になりますが、それが多くのチームの取り組みを妨げる要因となっています。

iPaaSの利用できる部署とそうでない部署

これが問題となる理由はいくつかあります。

  • 結果的に統合が未解決の課題となることで、従業員は不満を覚え、業務遂行に必要なデータも手に入りません。

弊社の調査では、このような状況がすでに発生していることが裏付けられています。ビジネス テクノロジ (BT) 担当者の 82% が、「統合が未解決の課題となっている」と答えています。

  • そのため、従業員は BT への過度の依存を強いられている状態です。このままでは、統合が思うように進まない場合、BT と各部門の関係に亀裂が生じかねません。

同調査では、これが現実に向かっていることもわかっています。BT 担当者の 62% が、「統合を思うように進められないこと」を不満として挙げており、それが「BT と各部門との信頼関係を損ねる原因となっている」と考えています。たとえば、BT 担当者のうち「製品チームの同僚が BT を信頼している」と考えている割合は、わずか 41% にとどまります。

真のデジタル変革(DX)を実現できない

ビジネスの支援において、アプリケーションを統合し、その間でデータ フローを生み出すといっても限界があります。組織の運用方法を本当の意味で変え、顧客と従業員の高まる要求に応えるには、アプリケーションを統合するだけでなく、主要なワークフローをエンドツーエンドで自動化する必要もあります。

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Workato が今日のエンタープライズのニーズを満たす理由

統合主導型自動化分野をリードする Workato は、iPaaS のメリットを備えながら、その欠点にも対応しています。

アプリケーション、レガシー システム、データベースなどを統合する一方で、コードを一切書かずにワークフローを自動化することも可能です。これにより、チームが全体としてエンタープライズグレードの統合ソリューションや自動化ソリューションを、セキュリティを確保したうえで構築できるようになります。それは、このプラットフォームによって包括的な一元化されたガバナンス モデルが実現されるためです。

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