エール株式会社:30名のベンチャー企業がWorkatoで「もう一つのシステムチーム」を手に入れた——年間600万タスクを処理し、仮説検証数を10倍に

エール株式会社:30名のベンチャー企業がWorkatoで「もう一つのシステムチーム」を手に入れた——年間600万タスクを処理し、仮説検証数を10倍に

部門

IT/プロダクト開発

国と地域

東京都、日本

業種

人材・組織開発サービス

概要

エール株式会社は、外部人材によるオンライン1on1サービスを運営するベンチャー企業です。従業員約30名という少人数体制の中、急成長する事業と限られた開発リソースのギャップが課題でした。特に通知施策やデータチェックは「小さく試して検証したい」というニーズが強く、フルスクラッチ開発では試せる仮説の数に限界がありました。

そこで導入されたのがWorkatoです。エラーハンドリングの充実や再実行性の高さが評価され、システム開発における仮説検証ツールとして本番運用にも耐えうる信頼性を持つ点が採用の決め手となりました。現在は約300本のレシピで年間約600万タスクを処理する規模に成長しています。(レシピはWorkatoで複数のアプリを連携させて一連の処理を自動実行するワークフローのこと、タスクはレシピが動くたびに実行される「メールを1通送る」「データを1件登録する」といった計算リソースが必要な個々の作業の単位。)

ユーザー通知実装方法についての仮説検証、AIによるデータバリデーション、メッセージ監視の自動化、ヘルプデスク対応のAIアシストなど活用領域は多岐にわたり、仮説検証数はAIによる開発が一般化する前の時期との対比で導入前の約10倍に増加しています。

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ビジネス上の課題

エール株式会社は、外部人材によるオンライン1on1サービスを提供するベンチャー企業です。従業員約30名という小規模な組織ながら、4,500名超のサポーターと日々約2,000ペアの1on1セッションを支えるサービスを運営しており、リマインド通知やフォローアップ、データ管理など「人」に寄り添う運用業務が膨大に発生していました。

最大の課題は、急成長する事業と限られた開発リソースとのギャップです。約2週間サイクルで開発を回していましたが、すべてをフルスクラッチで開発していては試せる仮説の数が限られてしまいます。特に通知機能やデータチェックは「小さく試して検証したい」というニーズが強く、エンジニアが手作業で検証を回す限り、月に試せる仮説はごくわずかでした。さらに、メッセージ監視やハラスメントチェック、個人情報の不正交換の検出といった品質担保業務も増大しており、30名規模では人手対応に限界がありました。

採用理由

導入のきっかけは、エンジニアの村山氏が知人から紹介を受けたことでした。ZapierやIntegromat (現Make) を使い慣れていた村山氏は、Workatoについて「開発者向けのツール」という印象を持ったと語ります。

採用の決め手は主に2点です。1点目はエラーハンドリングの充実で、原因不明のまま処理が止まる事態を避けられる信頼性が評価されました。2点目は再実行性の高さで、一部が失敗した処理でも重複なく残りだけを正しく再実行できる点が、フルスクラッチ開発より優れていると評価されました。

また、Workatoで実装した自動化が「本番運用に値する」と判断されればフルスクラッチに置き換えるという二段階アプローチが取れる点、たとえばSendGridで作成したテンプレートを後にウェブアプリへ流用できる点も評価されました。導入稟議では「優秀な社員を一人雇ったと思ってほしい」という説明でスムーズに承認されたといいます。経営陣がスピードを重視する文化を持っていたことも導入を後押ししました。

Quote Block

活用内容と導入効果

現在、レシピ数は約300本、年間約600万タスクを処理しています。継続的な運用はエンジニア2名とコーポレート担当1名の計3名が担い、活用領域は大きく5つに分類されます。

①ユーザー向け通知の仮説検証:セッション前日のリマインドや、日程未調整ユーザーへの通知などを素早く実装し検証しています。BIツールMetabaseでデータを抽出し、SendGridでメールを配信する構成により、多くの仮説を低工数で試せます。

②AIを活用したデータバリデーション:レコード追加をトリガーに、郵便番号などの入力内容をOpenAI APIでチェックし、異常時にはユーザーへ修正依頼を送る仕組みが稼働しています。段階的に社内確認を挟む運用も可能です。

③メッセージ監視の自動化:サポーターとユーザー間のメッセージをAIでチェックし、問題が疑われる場合は社内Slackへ通知する仕組みにより、人手では不可能な規模の監視を実現しています。

Diagram 1 (v2)

④ヘルプデスク対応のAIアシスト:Zendeskの問い合わせに対し、原因推測や返信文ドラフトをAIが自動生成する仕組みをわずか20分で実装。チケットクローズ時の自動サマリー機能により、問い合わせ対応の時間短縮にもつながっています。

Diagram 2 (v2)

⑤安定運用を支える工夫:重複送信防止のテーブル管理、エラー通知の一元化、Recipe Functionによる処理の部品化など、少人数でも大規模運用を維持するための設計上の工夫を重ねています。

村山氏は、自動化によりルーティンワークで十人分、仮説検証の観点では開発要員3人分に相当する効果があったと総括し、仮説検証数は導入前の約10倍に増加したと述べています。

Quote Block (1)

今後の展望

今後は、Zendeskのナレッジベース構築の自動化を本格化させる計画です。チケット解決時のAI自動サマリーを蓄積し、新規問い合わせ時に類似ケースを自動提示する仕組みを構築することで、対応品質と速度のさらなる向上を目指しています。

同社の事例は、Workatoが大企業だけのツールではなく、リソースの限られたベンチャー企業こそ「サービスそのものの質を上げる自動化」に活用できることを示しており、少数精鋭チームによるWorkato活用の好例といえます。

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