ナビタイムジャパンがWorkatoとIDP by Workatoで実現するOCR業務とバックオフィス業務の自動化

ナビタイムジャパンがWorkatoとIDP by Workatoで実現するOCR業務とバックオフィス業務の自動化

部門

IT/DX推進、バックオフィス

国と地域

東京都、日本

業種

情報・通信業

概要

株式会社ナビタイムジャパンは、複数SaaSの乱立やアナログ業務の非効率さを課題とし、2021年にWorkatoを導入しました。権限管理によるセキュリティの高さと、SaaSを一元的につなぐハブ機能が採用の決め手です。IDP by Workatoを活用し、請求書・領収書処理では金額や会社名をSlack投稿だけで自動抽出し経理システムへ連携。名刺データ化ではOCRで情報を構造化しHubSpotへ自動反映、200枚を約20分でデータ化し手作業比1/10の工数を実現しました。営業活動では、Confluenceに蓄積されている営業の商談議事録を毎朝自動でgoogleドキュメントに統合。それをnotebookLMのソースとし、過去の議事録から必要な情報をgeminiを通じてだれでもアクセスできるようにしました。またアプリリリース時には、Slack投稿を起点にLP作成から公開までを自動化しました。全社で年間数百時間規模の削減を実現し、今後はCRM連携の一気通貫自動化やライセンス管理の自動化を目指しています。

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ビジネス上の課題

株式会社ナビタイムジャパンは、2000年3月に設立された経路探索エンジンを中心とする技術会社です。「NAVITIME」や「ドライブサポーター」をはじめとする個人・法人向けサービスを多数展開しており、月間延べユニークユーザー数5,300万人を誇る日本最大級のナビゲーションサービスプロバイダーです。従業員約450名のうち大多数が開発者という、ものづくりに特化した企業文化を持っています。

特に2020年から2021年にかけて、コロナ禍を機にオンプレミスツールをJiraやConfluenceなどのSaaSへ切り替えたことで、クラウド間連携の必要性が急速に高まりましたが、情報の転記など手作業によるデータ連携が多く発生し、業務効率の低下と担当者の工数増大を招いていました。また在宅勤務移行が進む中、Slack上のコミュニケーションだけで開発や業務プロセスを完結させることにも難しさがありました。開発体制自体も、一人の担当者がアプリ開発からLP作成までを兼務する方針のため、手作業が至るところに残っており、最初のアクションを起点にすべての作業が自動的に流れる仕組みが求められていました。

加えて、請求書処理の手入力、名刺データ化の非効率、Confluenceに蓄積される膨大な営業日誌の未活用、そして生成AI導入自体が目的化し業務プロセス全体の最適化に至っていない点も課題でした。

人が介在して補っていた部分を、いかに自動化によって代替するかが、同社にとって重要な経営課題となっていったのです。
業務プロセスの観点では、開発体制そのものにも構造的な課題がありました。同社では一つのプロダクトにかける人数をできるだけ絞り込み、その分多くのプロジェクトを並行して立ち上げる方針を取っており、一人の担当者がアプリ開発からリリース、LP(ランディングページ)作成までを兼務します。効率化のために、最初のアクションをトリガーとして後続の作業がすべて自動的に流れる仕組みが強く求められていました。

アナログ業務の課題も顕在化していました。請求書の受領・提出業務では、金額・会社名・日付などの情報を手動で経理システムに入力する作業が担当者の大きな負担となっていました。展示会などで獲得した名刺のデータ化も課題で、既存のスキャンアプリでは精度が低く、200枚以上の名刺を手作業でデータ化するのは現実的ではありませんでした。さらに、営業担当者がConfluenceに蓄積していた日々200ページ以上に及ぶ営業日誌や顧客との会話メモも、有用な資産であるにもかかわらず活用されずに埋もれてしまっていました。

また、生成AIツールの全社導入に取り組んでおり、その次は既存の業務ロジックにAIを組み込んだ、業務プロセス全体の最適化に取り組む必要がありました。

採用理由

こうした課題の解決に向け、同社は2021年にWorkatoを導入しました。他のiPaaSも比較検討しましたが、社員全員が自由にレシピを作成できると連携の状況が把握できず事故の温床になりかねないという懸念があり、ユーザーごとの権限内でのみビルド・実行ができるWorkatoの設計が、他にはない明確な決め手となりました。

また、Workatoを各SaaSの「ハブ」として中間に置くことで、複数サービスを一元的に統合し業務自動化を一括実現できる点も採用理由の一つです。OCR機能については、Google Visionと精度がほぼ同水準だったものの、Workatoに直接ビルトインされ外部API呼び出しが不要な点、入力データが生成AIの学習に利用されず機密情報を扱う上で安心である点、文書種別ごとのテンプレートで型を指定するだけで自動抽出できる使い勝手の良さから、IDP by Workatoを選定しました。

さらに、社内コミュニケーションの中心であるSlackを起点にワークフローを構築する方針を重視しており、生成AIとの対話でレシピ作成の労力自体も下がり、技術力よりも自動化アイデアの有無が重要になってきているといいます。

活用内容と導入効果

Diagram 1 (v1)

現在、開発サポート部門の2名がレシピ開発・運用を担い、アクティブレシピ数は約50本、月間タスク利用数は最大約10万件に達し、年間数百時間の業務時間削減と数百万円のコスト削減を実現しています。

具体的には、Slackボットへの請求書投稿を起点にGoogle Driveへ自動保存し、IDP by Workatoが金額・会社名・日付を抽出して経理システムへ連携する仕組みが数年にわたり稼働しています。

名刺データ化では、スマートフォン撮影による画像をSlackへアップロードするだけでIDPが構造化し、HubSpotへ直接反映される仕組みを構築、OCR精度は95%以上に達し、200枚の名刺を約20分、手作業比約20分の1の時間でデータ化でき、コンフィデンススコアが低い項目のみ人が確認する運用により全体で従来比10分の1の工数を実現、専用ソフトウェアの契約数縮小によるコスト削減にもつながっています。

Diagram 2 (v1)

営業日誌の集計とNotebookLM連携:営業活動では、Confluenceに蓄積されている営業の商談議事録を毎朝自動でgoogleドキュメントに統合、それをnotebookLMのソースとし、過去の議事録から必要な情報をgeminiを通じてだれでもアクセスできるようにしました。議事録をソースにできる形式に日々自動的に蓄積されることが非常に重要でした。その結果これまで実質的に活用されていなかった大量の営業資産が日次で整理・検索可能になり、営業担当者は数時間規模の集計作業から解放されています。

Quote Block

今後の展望

IDP by Workatoは、契約書・名刺・経理書類などアナログな紙業務をAIで再構築し、業務リードタイムを圧縮する中心的な役割を担うと位置付けられています。

名刺データ化は現状スプレッドシートおよびCRMへの出力にとどまりますが、今後はCRM登録までを一気通貫で自動化し、専用ソフトウェアを完全に不要にする構想を進めています。また、社内SaaSライセンスの利用状況を自動モニタリングし、未利用ライセンスを回収・再配布する「ライセンス管理の自動化」も検討しています。

同社は、生成AIの「普及」フェーズは終わりつつあるとし、次のステージとして既存の業務ロジックにAIを組み込み業務プロセス全体を最適化することを最重要テーマに掲げています。

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