株式会社ナビタイムジャパンは、2000年3月に設立された経路探索エンジンを中心とする技術会社です。「NAVITIME」や「ドライブサポーター」をはじめとする個人・法人向けサービスを多数展開しており、月間延べユニークユーザー数5,300万人を誇る日本最大級のナビゲーションサービスプロバイダーです。従業員約450名のうち大多数が開発者という、ものづくりに特化した企業文化を持っています。
特に2020年から2021年にかけて、コロナ禍を機にオンプレミスツールをJiraやConfluenceなどのSaaSへ切り替えたことで、クラウド間連携の必要性が急速に高まりましたが、情報の転記など手作業によるデータ連携が多く発生し、業務効率の低下と担当者の工数増大を招いていました。また在宅勤務移行が進む中、Slack上のコミュニケーションだけで開発や業務プロセスを完結させることにも難しさがありました。開発体制自体も、一人の担当者がアプリ開発からLP作成までを兼務する方針のため、手作業が至るところに残っており、最初のアクションを起点にすべての作業が自動的に流れる仕組みが求められていました。
加えて、請求書処理の手入力、名刺データ化の非効率、Confluenceに蓄積される膨大な営業日誌の未活用、そして生成AI導入自体が目的化し業務プロセス全体の最適化に至っていない点も課題でした。
人が介在して補っていた部分を、いかに自動化によって代替するかが、同社にとって重要な経営課題となっていったのです。
業務プロセスの観点では、開発体制そのものにも構造的な課題がありました。同社では一つのプロダクトにかける人数をできるだけ絞り込み、その分多くのプロジェクトを並行して立ち上げる方針を取っており、一人の担当者がアプリ開発からリリース、LP(ランディングページ)作成までを兼務します。効率化のために、最初のアクションをトリガーとして後続の作業がすべて自動的に流れる仕組みが強く求められていました。
アナログ業務の課題も顕在化していました。請求書の受領・提出業務では、金額・会社名・日付などの情報を手動で経理システムに入力する作業が担当者の大きな負担となっていました。展示会などで獲得した名刺のデータ化も課題で、既存のスキャンアプリでは精度が低く、200枚以上の名刺を手作業でデータ化するのは現実的ではありませんでした。さらに、営業担当者がConfluenceに蓄積していた日々200ページ以上に及ぶ営業日誌や顧客との会話メモも、有用な資産であるにもかかわらず活用されずに埋もれてしまっていました。
また、生成AIツールの全社導入に取り組んでおり、その次は既存の業務ロジックにAIを組み込んだ、業務プロセス全体の最適化に取り組む必要がありました。