AIネイティブ企業のSHIFTが選んだ自動化・統合基盤——AIエージェント連携の統合基盤としてのWorkato活用

AIネイティブ企業のSHIFTが選んだ自動化・統合基盤——AIエージェント連携の統合基盤としてのWorkato活用

部門

IT/DX推進

国と地域

東京都、日本

業種

情報・通信業、ITサービス

概要

SHIFTは会社規模の急成長に備えて、当初よりデータ連携やシステム間のプロセス連携を司る統合プラットフォームを中心とし、Salesforceなど複数SaaSを組み合わせたベスト・オブ・ブリード型の業務システムを組み合わせながら基幹システムを構築してきました。

Workatoは月1万件以上発生していたSalesforceのデータメンテナンスの自動化など、すでに社内で活用実績がありました。その後、「オーケストレーションの中にAIが組み込まれる」コンセプトへの共感、豊富なSaaSコネクタ、非エンジニアでも習得できる使いやすさと高いコストパフォーマンスが決め手となりWorkato Oneの導入も決定しました。

活用はiPaaSによる業務自動化から始まり、現在は市民開発者が約30名規模に拡大。直近3ヶ月でAIエージェント開発の担い手が約5倍のペースで増加しています。現在はEnterprise MCP基盤として、受注登録や請求処理などの基幹業務にAIエージェントを組み込み、業務によっては40%の効率化を実現。将来的にはこの成果をSHIFTグループ全体の業務効率化への展開を進めることも視野に入れています。

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ビジネス上の課題

株式会社SHIFTは、ソフトウェアテストを起点とした品質保証サービスを核に、DXの総合サービス企業として急成長を続けてきました。売上は1,300億円近く、従業員数は1万5,000人を超える規模へと拡大する中、基幹システムには「急成長&急拡大に迅速に対応すること」「超高サイクルなマネジメントが可能なこと」「ガバナンス&セキュリティを高レベルで実現すること」が求められていました。

そのため、各業務システムは個別最適で適宜導入&リプレイスを進められるようにベスト・オブ・ブリードの考え方を導入しました。それと同時に、複数のシステムに分散するデータやプロセスを統合プラットフォームで相互連携するというアーキテクチャで全体最適を実現するモデルとなっています。

AIネイティブ企業を目指すSHIFTでは、世の中へ「AI関連サービスを提供」すると共に「自社でのAI活用」が大きなテーマとなっています。具体的には、社内でのバックオフィスのAI化とグループ40社のシェアードオフィス化&AI化によってグループ全体のバックオフィス業務の効率化を現在進行形で推進しています。

全社的なAI活用の機運が高まる中で、個人の業務効率化にとどまらず、見積もり・受注・請求・売上計上・経費精算といった基幹業務プロセスにもAIエージェントを組み込んでいく必要性が明確になってきました。基幹システムとAIをつなぐオーケストレーション基盤の整備が、喫緊の課題として浮上してきたのです。

採用理由

Workatoは、SHIFTにおいてSaaS間のオーケストレーションによる業務効率化の実績があるツールでした。その後、AI活用のニーズに応じるためのAIエージェント連携基盤としても活用できないか検討が進みました。採用の決め手となったのは、大きく三つのポイントです。

一つ目はオーケストレーション基盤としての適合性です。基幹業務にAIを活用するには、AIを単体で構築するだけでなく、複数の基幹システムと連携しながら動作する環境が不可欠です。WorkatoはSalesforceをはじめ多様なSaaSコネクタが整っており、AIエージェントをオーケストレーション基盤の上に自然に乗せる形で実装できる点が、IT部門として強く納得できるポイントでした。

二つ目はエンタープライズ水準のコストパフォーマンスです。ハイエンド製品は専任エンジニアなしでは運用が難しく、習熟にも多大な時間を要します。一方Workatoは、1日程度のトレーニングで非エンジニアでも開発に参加できる使いやすさを持ちながら、エンタープライズ水準の機能と信頼性を備えています。利用量に応じた課金体系も導入コストの透明性を高め、経営層への説明もしやすい構造です。

三つ目は圧倒的な開発アジリティです。アセット構造をシンプルに保ちながら実装できるため、業務要件が変化しても迅速に改善・修正が行えます。他社に依頼すれば数ヶ月かかる実装でも、Workatoであれば1〜2週間でプロトタイプが完成します。AI活用が日々進化し続ける環境において、このスピード感は大きな優位性となっています。

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活用内容と導入効果

iPaaSによる業務自動化基盤の確立から始まったWorkatoの活用は、複数のSaaS間データ連携を担う統合基盤として機能し、各部署で月1万件以上発生していたSalesforceのデータメンテナンスを自動化しました。Workbot for Teamsを活用することで、現場担当者がMicrosoft Teamsのチャット画面からコマンドを入力するだけでSalesforceのレコード更新が行える仕組みを実現し、管理者への依頼集中や手作業の負荷を大幅に削減しました。

次のフェーズとして市民開発の拡大が進みました。業務部門の担当者がWorkatoのトレーニングを受講・認定資格を取得した上で、自部署の業務自動化を自ら実装するアプローチです。ITに不慣れな担当者でもノーコードで業務自動化を数時間で実装できた事例が生まれ、Workatoは現場に広く定着していきました。また別の連携サービスで実現した場合との比較検証では約2倍の処理速度を実現しており、継続活用の根拠にもなっています。市民開発の拡大にあわせてIT部門はライフサイクル管理・アセット管理・運用監視の3軸からなるガイドラインを整備し、開発者数は当初の2〜4名から現在約30名規模へと拡大。直近3ヶ月でAIエージェント開発の担い手が約5倍のペースで急増しています。

現在最も注力が進んでいるのが、AIエージェントと基幹システムを接続するEnterprise MCP基盤としての活用です。受注登録業務では、従来は担当者がPDFから情報を読み取りSFAへ手入力する一連の作業をすべて手動で行っていましたが、WorkatoをMCP基盤としてAI-OCR・Salesforce・ワークフローシステムの各APIを連携させることで、PDFの読み取りからSFA入力・承認申請までをAIエージェントが自動実行する仕組みを実現しました。最終承認のみ人間が行うことでガバナンスを確保しています。また実装過程ではサービスアカウントでAPIを実行する設計上の誤りが発生しましたが、ユーザー本人のアカウントで実行する設計に修正することで、権限制御・セキュリティ・ガバナンスが人間の直接操作と同等に担保される状態を実現しました。こうした失敗と改善のサイクルを自社内で蓄積できていること自体が、AI活用の実践知として大きな資産となっています。AI活用の成果は週次で経営陣に報告されており、業務によっては40%の効率化を達成しています。

今後の展望

今後の方向性は大きく二つです。一つ目は市民開発の全社的な文化への定着です。現場担当者が自らDXのアイデアを発案しWorkatoで実装へとつなげる文化を組織全体に根付かせることで、ITリソースの制約を超えた継続的な業務改善を目指しています。

二つ目はAIエージェント統合基盤のさらなる整備です。スキルごとの利用権限制御やプロジェクトをまたいだエージェント呼び出しなど、大規模組織でAIエージェントを安全に運用するための仕組みづくりに現在進行形で取り組んでおり、同社とWorkatoが共に課題を解決しながら前進する関係性が築かれています。さらに自社でのAI活用を通じて得た知見をSHIFTグループ各社に向けて「AIバックオフィスアウトソース」として展開を予定しています。WorkatoはAIネイティブなSIカンパニーを目指すSHIFTの中核基盤として、その役割をさらに拡大し続けていきます。

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