コンポーザブル・インフラストラクチャとは何か?

柔軟で拡張可能なシステムアーキテクチャの考え方

Composable System

柔軟性、適応力、耐障害性。
Composableシステムのこれらのメリットにより、多くの企業がComposableアーキテクチャをIT戦略のロードマップに取り入れ始めています。アナリストによると、この市場は2030年までに50%成長すると予測されています。

本記事では、Composable Infrastructureとは何か、そしてWorkatoを活用してComposableシステムを構築する方法について解説します。

Composable Infrastructureとは

Composable Infrastructureとは、サービスを独立したコンポーネントとして個別に開発、デプロイ、運用するモジュール型のシステムアーキテクチャです。
これらのコンポーネントはオーケストレーションレイヤー上で構成され、シンプルなモジュールを組み合わせて複雑なシステムを構築できます。

現在、多くの企業ではモノリシックシステムが使われています。
モノリスとは、複数のサービスが相互依存し、1つの大きなアプリケーションとして動作する構造です。このようなシステムでは、一部を変更するだけでもシステム全体に影響が出てしまうため、特定のサービスにロックインされやすく、変更が難しくなります。

Composable Infrastructureはモノリシックシステムと比較して、次のようなメリットがあります。

・用途に応じて構成を変更できる柔軟性
・個別モジュールを入れ替えられる適応力
・一部の障害が全体停止につながらない耐障害性

また、現在のComposableシステムは、システムアーキテクチャでよくある課題も解決します。
例えば、フロントエンドとバックエンドが密結合している問題や、ポイントソリューションにデータが分散してしまうデータサイロの問題などです。

Composableの考え方

「Composableの考え方は、アーキテクチャそのものだけでなく、問題解決の方法でもある」

US Electrical ServicesのChief Digital OfficerであるRama Theekshidarはこのように述べています。

Composable Infrastructureの考え方は、ファーストプリンシプル思考に基づいています。
これは複雑な問題を基本要素に分解し、シンプルな解決策を組み合わせて解決するという考え方です。

従来の考え方では、問題が複雑になるほど、より複雑なシステムで解決しようとします。
例えば企業が既存アプリケーションでは足りないと感じた場合、より高機能なシステムへアップグレードしようとします。しかしこの方法では、変更に時間がかかり、段階的な改善しかできず、大規模なデータ移行やシステム移行が必要になります。

このようなモノリシックシステム中心の考え方は、ビジネスの成長を妨げることがあります。

「モノリシックアーキテクチャはスケールを目指す場合には適していない。統合も簡単ではないし、異なるシステム間でデータを移動するのも簡単ではない。持続可能でもスケーラブルでもない」

Composableシステムはこれとは異なります。
ファーストプリンシプル思考から設計されるため、従来とは異なる革新的な方法でシステムを構築できます。

例えば「ヘッドレス」システムでは、従来のシステム画面を使う代わりに、統合を通じて既存の画面やアプリケーションに必要な情報だけを表示します。

ファーストプリンシプル思考のメリットは次の通りです。

・システムの理解が深まる
・選択肢や代替案が増える
・革新的なアイデアが生まれる

Composableシステムの主な特徴

Composableシステムの構築方法は1つではありません。
Composableの考え方はファーストプリンシプル思考に基づいているため、それぞれのシステムは目的に応じて独自の構成になります。

ただし、Composableシステムには共通する特徴があります。

依存関係が最小限

サービス同士は疎結合で接続され、各モジュールは他のモジュールの内部構造を知らなくても動作できます。

個別にスケール可能

特定のモジュールの使用量が増減しても、システム全体ではなく、そのモジュールだけをスケールできます。

統合による連携

モジュール同士はAPIなどの統合プロトコルを通じて通信します。

ガバナンス

オーケストレーションレイヤーがセキュリティ、コンプライアンス、パフォーマンスを横断的に管理します。
例えばエラー処理を統一することで、運用や監視を一元化できます。

Composableシステムの例

Composableシステムには様々な種類があります。

Composable CDP

Composable Customer Data Platformは、営業、マーケティング、カスタマーサポートの顧客データを統合し、顧客の統合ビューを提供します。
これにより、顧客体験の向上や顧客維持率の向上を実現できます。

Composable Commerce

Composable Commerceは、フロントエンドとバックエンドを分離するヘッドレス型のECアーキテクチャです。
開発者はそれぞれを独立して最適化できます。

ヘッドレスCRM

フロントエンドとバックエンドのプロセスを分離し、例えばサポートアプリケーションなどを柔軟に構築できます。

Composable ERP

請求、給与、分析などの金融マイクロサービスを組み合わせたERP構成です。
多くの場合、NetSuiteやSAPのようなモノリシックERPと、ポイントソリューションを統合して構成されます。

Composableの考え方を理解すると、これら以外にも様々なComposableシステムを設計できるようになります。

WorkatoでComposableシステムを構築する方法

Workatoプラットフォームは、Composableシステムにおける統合レイヤーおよびオーケストレーションレイヤーとして機能します。
シンプルな構成要素を組み合わせて複雑なシステムを構築するための機能を提供します。

主な機能は次の通りです。

・事前構築済みコネクタ、API、Webhookなどによる全社システム接続
・イベント駆動アーキテクチャ
・ユーザー管理や権限管理などのセキュリティ・コンプライアンス
・エラー処理や例外処理の一元管理

US Electrical Servicesでは、ComposableディストリビューションシステムをWorkatoで構築しています。

「Composableアーキテクチャの一部として、デジタルコマースプラットフォームに必要な機能ごとにマイクロサービスを構築しています。例えば注文管理システムを改善したり、将来WMSを変更する場合でも、APIを使って柔軟に対応できます。そこにWorkatoのようなプラットフォームが重要な役割を果たします。」

まとめ

Composable Infrastructureは、単なる技術アーキテクチャではなく、システム設計と問題解決の考え方そのものです。

モノリシックシステムでは、変更や統合、スケールが難しくなります。
Composableシステムでは、サービスをモジュール化し、統合とオーケストレーションによって柔軟に構築できます。

今後の企業ITにおいて重要なのは、単一システムを導入することではなく、統合とオーケストレーションを中心に、Composableなシステムを構築することです。

WorkatoでComposableアーキテクチャを構築する

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